四六判 230ページ 上製
定価 3,600円+税
ISBN978-4-7872-3559-6 C0036
書店発売予定日 2025年05月26日 登録日 2025年04月17日
私たちは、多くの疾病が医学の発展によって撲滅された「歴史」、あるいは高度経済成長期の公害が多くの人々を苦しめ、それを是正するために様々なアクターが力を尽くした「歴史」を知っている。だが、紋切り型の歴史理解によって、それぞれの疾病や公害が固有に抱える問題を見逃してきてしまったのではないか。
本書では、ハンセン病、結核、精神疾患、健康被害、公害を主題として取り上げる。そして、患者や医師、医療機関、企業、行政、そして家族、支援者など、病をめぐる問題に関わった人々が実際に何を考え、どのように行動し、いかなる役割を果たしたのかを、コアな一次資料を徹底的に調査することで明らかにする。
「戦後社会と病」をめぐる紋切り型の歴史認識=「神話」を解体し、経験的・実証的分析を通じて病と社会のありようを問い直して、忘却に向き合い、社会認識をアップデートする社会学の成果。
【目次】
序 章 病と戦後社会を歴史社会学の視座から問い直す 土屋 敦
第1章 結核とともに療養生活を生きる――アクターネットワーク理論からみる病 西川純司
第2章 病をめぐってせめぎ合う論理――一九五〇―六〇年代の全患協運動とハンセン病問題 坂田勝彦
第3章 国立肥前療養所の開放医療――医療アーカイブズに基づく分析とその課題 後藤基行
第4章 「私憤」と「公憤」の一九七〇年代――種痘と森永ヒ素ミルク中毒事件の「後遺症」をめぐって 香西豊子
第5章 スペクトラムとしての公害――安中公害と論争が消えた病 宇田和子
終 章 「戦後社会と病」のドミナント・ストーリーの異化と再構築 土屋 敦
あとがき 坂田勝彦
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