米倉 律(著)
四六判 240ページ 並製
定価 2,600円+税
ISBN978-4-7872-3564-0 C0036
書店発売予定日 2025年07月25日 登録日 2025年06月16日
21世紀に入って間もなく、東日本大震災と新型コロナウイルス感染症拡大(コロナ禍)という甚大な災禍に私たちは見舞われた。しかし、時代を画するほどの重要な転換点であるこれらの出来事のなかで人々が何を経験し、その後に何が変わり/変わらなかったかについて、私たちはいまだ十分に理解できていないのではないか。
こうした問題意識のもと本書では、大衆的な娯楽でありながらも社会問題を取り上げるジャーナリズム的な側面をもち、当事者たちの経験や心情を具体的に伝達する力に長けたテレビドラマに注目し、震災やコロナ禍の表象を分析する。
故郷や家族の喪失、当事者/非当事者の分断、非常時の生活での孤独、他者との共感と結び付き……。『おかえりモネ』から『#リモラブ』『団地のふたり』『孤独のグルメ』『新宿野戦病院』まで、様々な「災後テレビドラマ」を取り上げて、日本全国を混乱に陥れた災禍にテレビドラマがどう向き合い、それによって私たちに何を伝えようとしたのかを明らかにする。
放送各局で制作された多彩な「震災ドラマ」と「コロナ禍ドラマ」を取り上げながら、「災後」である日本社会のありようを考究する。
[目次]
序に代えて 災後テレビドラマを読み解くこと
第1部 震災ドラマ
第1章 物語(フィクション)の力――『ペペロンチーノ』『あなたのそばで明日が笑う』
第2章 「故郷」と結び直す――『小さな神たちの祭り』『絆――走れ奇跡の子馬』
コラム1 “震災ロードムービー”が映し出すもの――『風の電話』
第3章 「分断」を前にして――『時は立ちどまらない』『ラジオ』
コラム2 「再現ドラマ」が描いた震災とメディア
第4章 東京のなかの「震災」――『サイレント・プア』『五年目のひとり』
第5章 ドラマが描く/描かない「フクシマ」――『浜の朝日の嘘つきどもと』『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと』
コラム3 新海誠と「フクシマ」
第2部 コロナ禍ドラマ
第6章 可視化される現代人の「孤独」――『2020年 五月の恋』『#リモラブ――普通の恋は邪道』
第7章 「夜の街」の苦境、エッセンシャルワーカーの憂鬱――『不要不急の銀河』『あなたのブツが、ここに』
コラム4 東京五輪とテレビ
第8章 「ポスト・コロナ」ドラマ:人生と世界を見つめ直す――『団地のふたり』『孤独のグルメ』『正直不動産』
終章 災後テレビドラマのメッセージ
あとがき
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